第8回不動産金融塾は、
ライフネット生命保険株式会社 代表取締役社長 出口治明(でぐち・はるあき)氏をお招きして、東京大学総長室アドバイザー時代に、日本初の試みとして実現させた
モバイルミュージアム(*1)の誕生秘話を中心にお話いただきます。
非日常的なミュージアムをコンパクトなパッケージとして日常に取り込むというモバイルミュージアムの実現は、新しい都市文化の創出への価値ある一歩であると言えます。
また出口治明氏は、金融マーケットの最先端でご活躍した経験から、金融/不動産マーケットへの造詣が深く、混迷を極める日本の不動産マーケットで今何が起こっているのかについても解説していただきます。
加えて出口治明氏は、2008年5月、還暦のベンチャーとしてライフネット生命保険株式会社を起業したばかりであり、生保業界に衝撃を与えるその事業コンセプト、日系の独立系大手投資顧問・独立系PE(プライベートエクイティ)の先駆けである谷家衛(たにや・まもる)氏(あすかアセットマネジメント 代表)との出会いから起業にいたるまでの非常に興味深いお話をご披露いただきます。
*1)モバイルミュージアムとは、携帯電話のように自由に遊動することをコンセプトとした次世代型ミュージアム。東京大学総合研究博物館所蔵の学術標本をコンパクトにパッケージ化し、学校、住宅、企業、公共施設等に中長期にわたって展示するもの。第1号会場は、赤坂インターシティ1階エントランスホール。
■セミナー概略
・歴史の中における都市
・モバイル・ミュージアムとは
・UDPプロジェクト(*2)がモバイルミュージアムを生んだ
・大学とデベロッパーの役割
・巨大集中から携帯分散へ
・ストックをフローとしてハンドルする仕組み
・最近の「不動産不況」をどう読み解くか
・結び~ライフネットプロジェクト
*2)University Development Projectの略称。大学と社会を繋ぐことがその目的だが、東京大学の場合は、まず、大学から社会にアイデアや具体策を持ちかけることがその特色だった。
■講師メッセージ
私は、歴史に興味があるので、「都市」とは何か?ということを、ずっと考え続けてきました。
ル・コルビュジエの「輝く都市」とジェイン・ジェイコブスの理念を対比させ、その文脈からモバイルミュージアムを語ってみたいと思います。
また、今日の不動産不況は、大変、根の深い問題だと認識しています。
サブプライム問題を含めて、今日の我々が直面している経済上の課題と、その中における不動産の問題を摘出してみたいと思います。
最後に、還暦のベンチャーについても触れようと考えています。よろしくお願いします。
▼モバイルミュージアムの一部/赤坂インターシティ