2017-06-28 09:19
不動産金融塾:講座スケジュール
不動産金融塾:開催報告
「第46回不動産金融塾 野村総合研究所 金 惺潤 氏」
開催日:2014年6月4日(水)
テーマ:「2020年の都心5区オフィス市場の展望 ~企業の行動が市場を変える」
講師:金 惺潤(きん・せいじゅん)氏
   野村総合研究所 上級コンサルタント
場 所:フォレスタ虎ノ門

第46回不動産金融塾は、金 惺潤(きん・せいじゅん)氏をお招きして、「2020年の都心5区オフィス市場の展望~企業の行動が市場を変える」というテーマでお話いただきました。

2020年のオフィスマーケットの予測という誰もがもてあますような大きなテーマを取り上げて独自の分析をしてくださいました。

そのエリアに本社を置く上場企業の経常利益を積み上げて、エリア比較をするという切り口はとても新鮮でした。

不動産はその場所そのものに価値があるのではなくそれを利用している企業・人の経済力そのものが価値を持っているのだというある意味哲学的は本質を思い出させていただいたような気がします。

今回は特に参加者の反響が大きく、参加者のご感想を皆さんに披露させていただきます。

【参加者A】
・不動産投資のエリア選考として、行動ファイナンス的な観点から観察することは 言われてみれば初めて意識する見方だったので、非常に参考になった(儲かりそうな エリアで開発したがるデベロッパー=儲かりそうな銘柄に投資したがる投資家)

・丸の内、日本橋はさておき、テナントリーシングのストーリーが語りやすいのは、 新宿よりも品川だと思う。その意味で新宿を厳しく見ているのは同感。

・個人的な感覚では、2016年~2017年の供給量は2003年や2012年に比べて多くはない が、所謂Sクラスに位置づけられる物件が都心3区に供給されることによって、新宿 をはじめとした中途半端なエリアの沈下が進むのではないかと思う。

・不動産業界の人々は売買、開発等で物件が動かないと、「ヒマ」になってしまうの で、増加ないし安定して存在する需要を前提にモノを考えたがるが、マクロ的には人 口変動に準拠して、オフィス床需要は減少するはず。

・また、企業全体の不動産経費の負担可能額は限界があると思うので、単なる供給床 面積ではなく、床面積×期待賃料単価の総合計を検証することにより、オーバー シュート度合いが把握できるかもしれないな、と。

【参加者B】
・金様はさすが野村総研の上級コンサルタントの方だけあって、洗練された調査と  分かりやすい解説で、最近のオフィス市場のトレンドや今後の予測について、 理解 を深めることができました。 感謝いたしております。 

  ・ただ、欲を言えば、(エリア別の市場の動きや各社の動向などの調査については  きれいにまとめられているのですが)、現場(アセットマネージャーやブローカー、 デベロッパーなど)の生の声がインタビューなどを通じて、盛り込まれていればな お、良かったと思います。

現場で展開されている生々しい状況、思惑や、表面の数値には出てこない問題点を浮 き彫りにすることで現状および今後の予測に向けてもう少し深堀りした勉強会になる のかな?と思いますので。(会場の参加者の胸の内→意見の吸い上げをして、共感で きる部分、できない部分とのあぶり出しができようかと思います。)

ぜひ、第2弾を期待いたします。

【参加者C】
・金さんのセミナー内容は面白いと感じました。特に都心3区に今後も需要が集中す ることのロジックは参考になります。新幹線等アクセスを重んじるテナント属性と地 下鉄系アクセスを重んじるテナント属性に大別されるという切り口も実務で頭で理解 しているつもりが、あのような分析整理された視点で語れると面白いものですね。

【参加者D】
・行動に基づいた市場予測という考え方が、非常に新鮮で興味深く感じました。

・特に品川区の将来像について、「今後は品川区にビジネスの中心が移っていく のでは」という予測に対して、企業の行動に基づくアンチテーゼを提示していた だきましたが、まさに目から鱗が落ちる思いでした。

・ノマドワーキング、昔だとユキビタスでしょうか、仕事のやり方が大きく変わって くるため、オフィスの位置づけも変わってくるという話も聞きます。それによると、 普段はネットを通じてコラボレートし、それを補うために集まる場所としてオフィス が変わっていく、つまり、オフィスはそこに通勤してきて、1日中座って仕事をする 場ではなくなる可能性があるということです。このような、働き方の変化はオフィス 需要に影響を与えてくる可能性があると思います。このあたり、アナリストのご意見 を聞いてみたいと考えています。

【参加者E】
・野村総研のレポートは、シンプルによくまとまっていると思っていたので、実際に セミナーでお話を聞く機会がもてて良かったです。

・どのエリアがポテンシャルが高いか低いかといった議論は、大変興味深いですね。 本も購入しようと思います。

【参加者F】
とてもとてもよかったです。感謝してます。

不動産の長期投資には絶対に必要なテーマなのに定見を出すのが難しく、みな、避けている内容です。

切り口の設定が、まず難しい中、独自の「開発者」の視点が面白かったです。「愛」というポイント等。

あと3時間くらい聞きたかったです。

個人的には、以下のように信じていた部分あり、考えさせられました。

・東京駅周辺からの解放(銀行本店と霞が関に「頭を下げに行く」行為の低下)
・優良住宅地としての城南・城西のさらなる優位と、そこからの利便性による渋谷・ 新宿の優位
 (住宅地としての西側の低下、の話も面白かったです)
・オフィス面積を使う産業の変化(昔からの製造業→内需サービス・IT)

参加者50名。今回も良き学びと出会いを楽しめました。

(2014.06.04)